
人中短縮とは?
―創部を目立たせず自然に仕上げるポイントを医師が解説
(2025年11月更新)
鼻の下が長く見えると、顔全体が間延びして老けた印象を与えることがあります。
そのようなお悩みを改善するのが「人中短縮術(リップリフト)」です。
本コラムでは、オータスクリニックで行っている人中短縮の特徴や、創部を目立ちにくくする工夫、手術後の見た目への影響について詳しくご紹介します。
Index
人中短縮とは
-7.png)
人中とは鼻の下の部分を呼びます。
正確には鼻の中心にある鼻柱と上唇との間の溝のことを指します。この人中は口輪筋と呼ばれる口をすぼめたり、閉じたりする筋肉と鼻下の皮膚とによって成り立っています。
人中が長いと鼻下のみならず、中顔面(目と口との間の部分)が間延びして見えることとなってしまい、老けた印象を与えやすくなってしまう傾向があります。
人中短縮術とは、この部分の皮膚を数ミリ切除して縫い縮めることで、中顔面を短くみせて若々しい印象に近づける手術です。
創部が目立ちやすい理由と当院の工夫
創部が目立ちやすい理由
一般的に真皮の厚い部分を切開すると創部は目立つ傾向があります。
例えば目元などは真皮が薄く、全切開や眉下切開の創部は時間がたてばかなり目立たない創部となりやすいです。
人中部分の真皮は顔の中では比較的厚みがあるので醜状瘢痕となりやすい部位であると言えます。
醜状瘢痕や肥厚性瘢痕になる要素としましては ①「体質」②「戻ろうとする力」 があると考えています。
オータスクリニックの人中短縮
①については内服薬や塗り薬を当院で施術をうけていただいた皆様にアフターフォローとしてお渡ししています。
②については手技が重要です。
-6.jpg)
人中を切除した後に皮膚と皮膚を縫合しただけの場合は戻ろうとする力に負けてしまい、人中短縮の創部が数ヶ月かけて次第に太くなってしまいます。
人中短縮では控えめな方で3mm、しっかり切除する方で5mmという数ミリがとても効果の印象に大きな影響を与える世界ですので、創部が数ミリ伸びただけでも効果に大きな問題が生じますし醜状瘢痕となります。
効果も感じず、太い創部だけが残って後悔しているという方がとても多いのが人中短縮の施術になります。
これを回避するためには口輪筋という鼻下にある厚みのある筋肉を鼻中隔軟骨周囲の硬い組織や上顎骨前鼻棘骨膜といった硬い組織につり上げ固定することが大切です。
この処理を丁寧に行うことで、皮膚にかかってしまう戻ろうとする力を抑制しています。
また、これにより創部の厚みを1mm以下に抑え、仕上がりの自然さと効果の持続を両立しています。
また当院では現在、人中短縮に「5つの術式」をご用意しております。
一人ひとりの細かなご要望やお顔のバランスに合わせて適したデザインのご提案が可能です。
このことにより、より柔軟な調整と多角的効果を与えることができる点が、他院にはない大きな特徴となっております。
-9.png)
よくある質問・懸念点
Q1.上唇がめくれてしまうことはありますか?
-4.jpg)
人中短縮では、鼻柱は皮下組織や口輪筋から完全に剥離して可動性を確保しているため、鼻柱を下げる量や上唇を引き上げる量を調整することで、仕上がりをコントロールすることができます。
上唇がめくれたくない(厚みを増やしたくない)方の場合は、鼻柱をやや下降させることでめくれ方を抑えています。
反対に、薄い上唇をふっくらと見せたいという方の場合は、鼻柱をあまり下げずに上唇の厚みを出すように鼻柱の位置をコントロールしています。
またこのときに上唇中央部だけがあがってしまっては富士山型となってしまいバランスが悪いため、鼻翼まわりも切開を行い梨状口付近の骨膜を用いて上唇外側部の口輪筋のつり上げも併用しています。
Q2.ガミースマイルは悪化しますか?
-2.jpg)
当院では人中短縮の創部のリスクを下げるために口輪筋を前鼻棘に固定しております。
ガミースマイルを気にされているケースでは上唇の移動を抑えるために鼻柱を下降させます。
このときに前鼻棘のやや口側の骨膜に固定することで鼻柱を下げることができ、この処理で口腔前庭を狭くすることができます。
ガミースマイルになるリスクを下げることができます。
ただし、上顎骨が前突していたり長かったりするいわゆる『クチゴボ』と呼ばれるケースでガミースマイルが起きている場合は、そもそも論として口が閉じにくいために鼻下の皮膚を伸ばして生活する上で人中が伸びているという流れになるので、これを切除してしまうとガミースマイル以前に笑わないときまで口が閉じないということが生じてしまいます。
したがって、このようなタイプの方は、先に骨切りの施術を行うことでより自然な仕上がりになりるためおすすめしております。
Q3.口角は下がりますか?

鼻柱を下げるデザインでは上唇の厚みが増えにくく、口角が下がる心配はほとんどありません。よって口角の下がりは自覚しないケースが多いです。
ただ鼻柱が元々下がっているケースで、これ以上下げるとバランスが悪化するが人中は短くしたいというご希望の方の場合は、上唇をめくれさせることになります。
口よりも鼻の方が大きい方は一般的に少数なのでたいていは鼻にそった人中短縮の切開を行うと上唇の内側7割ほどの厚みが増して口角が相対的に下がって見えます。
ほうれい線まで伸びた切開線を許容していただけるならこの問題は起きませんが、そうでない場合は口角を挙上させたり、外側人中短縮を併用したりすることで口まわりのバランスを整えています。
Q4.Cカールはつくれますか?
.jpg)
Cカールができるかどうかは口輪筋の力に依存していると考えています。
若い方や口輪筋がしっかりしていてたるみが少ないケースでは、鼻柱付近の皮下組織をしっかり切除して口輪筋を前鼻棘に固定することで人中が外反してCカールが強調されます。
この処理を行わずに皮膚だけを縫合してしまうと皮下組織が重なってしまい、猿顔になってしまいますので必要な処理です。
しかし中年以降で口輪筋が伸びてしまい、上唇が内反しているケースでは猿顔化は防げても外反を起こすことは難しい場合が多いです。
この場合は、上唇を前突させるようにヒアルロン酸注入を併用した方が安全にCカールを形成しやすいです。
Q5.鼻柱がすでに下がっていて上唇も厚くしたくない場合は?
一般的に鼻柱が鼻に埋もれていて鼻翼が下垂しているような方は上唇の厚みがあるケースが多く、鼻柱がおりているケースでは上唇が薄い方が多いです。
したがって、あまり選択に悩むケースは少ないですが鼻柱がおりていて上唇がうすいけれどもあまり上唇の厚みは変えたくないという方もいらっしゃいます。
そういった場合は口唇縮小を併用して上唇の厚みを変えずに人中を短縮することが可能です。
まとめ
当院の人中短縮について例を挙げながら説明させていただきました。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
人中短縮術は、わずか数ミリの変化で顔全体の印象を大きく左右する繊細な施術です。
オータスクリニックでは、傷跡を目立たせない工夫や筋肉固定による後戻り防止など、細部まで丁寧に設計しています。
患者さま一人ひとりの骨格や希望に合わせて、最適なデザインをご提案いたします。
また、同じ人中短縮でも患者様の状態となりたいご希望によって施術のやり方や組み合わせ方は様々になってくるかと思いますので、カウンセリングにて詳細は説明させていただければ幸いです。
気になる方は、お気軽にご相談ください。


